福岡地域戦略推進協議会(以下FDC)は、2025年4月24日、西鉄グランドホテルにて「2025年度総会」を開催しました。総会には、産学官民の会員約200名が参加し、2024年度の活動報告ならびに2025年度の事業計画が報告されました。

麻生会長「福岡から日本を動かす」

開会にあたり、FDC麻生泰会長(九州経済連合会名誉会長)は、FDCの設立から14年の歩みを振り返り、「部会やFLaP、そして様々なコンソーシアムの組成と活動を通じて、地域戦略の推進に努め福岡都市圏の持続的な発展を加速させてきた。停滞感のある日本の現状の中で、幸いにも福岡は首長の強いリーダーシップがある。産学官民の皆さんの参画を以て福岡から日本を動かし、東アジアのビジネスハブを目指すことができ、ある程度の成果が出てきていると感じている」と述べ、福岡都市圏の持続的な発展を目指し参画いただいている会員の皆様への感謝を伝えました。
また、産学官民のプラットフォームであるFDCへの参画については、「社内だけでは得られない情報や人間関係、人脈の広がりがある」と述べ、その意義を強調。福岡都市圏の魅力づくりに主体的に関わることで、日本全体を牽引する力になり得るとして、さらなる参画を呼びかけるとともに、地域の発展に向けた強い意気込みを示しました。
石橋副会長「福岡から世界へ、産学官民で挑戦」

閉会挨拶においてFDC石橋達朗副会長(九州大学総長)は、産学官民を繋ぐ九州大学の取り組みについて、九大OIP株式会社の事業推進や半導体分野での国際連携の事例を挙げ、学術面での国際的な連携拠点づくりや九州・福岡への半導体関連企業の集積の加速を人材面から支えることができるよう、価値創造型人材育成に力を注いでいることについて紹介しました。
また、福岡から世界で活躍するスタートアップの創出に関し、九州大学が大学発医療系スタートアップ支援プログラムに採択されたことに触れ、「九州・沖縄・西日本を挙げてアジアへつながる医療系スタートアップエコシステム=QUICK (Quantum University Innovation Cycle from Kyushu)を立ち上げ、世界に向けた医療系スタートアップ支援を推進していく」と述べました。
そして、「福岡市に協力機関となっていただいているこうした取り組みも含め、これまで以上に先進的な研究開発の促進や新技術・新製品の開発、ベンチャー企業・新産業の創出を加速させ、FDCの様々な活動にも寄与していくことでビジネスエコシステムの確立を目指したい。」と述べ、今後も産学官民の連携を強化し、福岡をさらに盛り上げていく意志を示しました。
高島副会長「常識を打ち破り、福岡から未来を創る」

同じく、FDC高島宗一郎副会長(福岡都市圏広域行政推進協議会会長/福岡市長)は、総会当日に天神ビッグバンの象徴であるワンビルことワン・フクオカ・ビルディングが開業したことに触れ、「この福岡のまちを語るとき、ワンビルは間違いなくこれから福岡の顔になる」と述べ、福岡都市圏のさらなる発展への期待を示しました。
FDCの歩みについて「2011年にFDCが設立され、翌2012年に『スタートアップ都市・ふくおか』を宣言した。そして、これまでの常識を打ち破っていこうという思いで、FDCと福岡市の共同提案で国家戦略特区を獲得し、その特区を活用して天神ビッグバンがスタートした。老朽化したビルが集積していたこの天神を、新しい価値が生まれていく創造交差点に変えていった。今日という日は、皆さんと共に未来のビジョンを描き、そしてそれが形になった記念日だと思う。その日にFDCの総会を開くことができるのは大変意義深い」と語り、 FDC会員が一丸となって取り組んできたチャレンジの成果を強調しました。また、「我々のまちの強みは一体何なのか。他のまちとは違う強みは何なのか。それは自分たちでビジョンを描いて、それを実現することができるまちだということ。行政と民間が連携するうえでFDCが果たしてきた役割は非常に大きい。今後の福岡をどのようにして後世に残していくのか、その責任を果たすべく、皆さんとチャレンジをしていきたい」と述べ、FDC会員と共に福岡から未来を創る強い意志を示しました。
※こちらのページから総会時の各御挨拶の動画をご覧いただけます
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総会終了後には、産学官民の会員が一堂に会し、交流を深めるレセプションが開催されました。FDCは、2030年を見据えた第2次地域戦略と第5期事業方針に基づき、新産業の創造に資する事業の組成に重点を置き、ビジネスエコシステムの確立に向けた取り組みを推進してまいります。

