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【開催報告】小城式サイクルツーリズム出発式、および「自転車とまちづくり」をテーマとしたトークイベントを開催

FDCニュース

福岡地域戦略推進協議会(以下FDC)と、⻄⽇本⾼速道路㈱九州⽀社(以下NEXCO西日本)、佐賀県小城市の三者で締結した産学官民の連携協定に基づき生れた事業「小城式サイクルツーリズム」の出発式が1月6日(土)、小城市健康スポーツセンター「アイル」において開催されました。

「高速道路を起点とした観光人口・交流人口拡大、地域の担い手育成事業」と称し、2021年より市民と共にリビングラボを通じて、自転車を活用した魅力あるコンテンツの創出と実施体制の整備に取り組んできました。そしてこのたび小城式サイクルツーリズムの運用を開始することとなりました。
「小城式」とは、小城ならではの魅力を取り入れた観光を、との思いから導き出した名称で、「市民によるやさしいおもてなしを来街者に体験してもらうこと」を理念としています。

寄せられた大きな期待
小城式観光推進協議会会長でもある小城市江里口秀次市長は、「この取り組みを多くの人に知ってもらうため、ここアイルに隣接する小城市フットボールセンター「ブラックモンブランフットボールセンター」のオープンと合わせて出発式を開催することとした。小城式サイクルツーリズムを通じて、小城の素晴らしさ、歴史に触れ、市外の方々にも小城を好きになっていただきたい」と意気込みを語りました。

また、(一社)小城市観光協会村岡安廣代表理事からは「小城市は、古代から現代に至るまで様々な歴史を有している土地。小城の地の素晴らしさを体験してもらうには自転車が一番。シュガーロードのど真ん中から出発し、多くの人々に各エリアを巡っていただきたい」と挨拶。
NEXCO西日本加治英希九州支社長からは「高速道路を起点としたまちづくりということで、そこに行ってみたい、降りたいと思えるような地域づくりを進めるこの小城市の取り組みを九州発のモデルとして、他地域でも活発に行っていきたい」と抱負を述べました。
一方、小城市教育委員会大野敬一郎教育長は「小城市では『屋根のない博物館』という取り組みを行っている。小城に点在する観光資源を市内外の方々に知っていただくには、このサイクルツーリズムが最適ではないかと考えている。自転車であちらこちらを巡る中で人と人とが繋がり、街に活気があふれ多くの方々に幸せが訪れるはず」と力説。
自転車の発着拠点を担う小城市まちの駅まちづくりネットワーク小柳容子会長からは「全国に1400ほどあるまちの駅は全国各地でつながっている。小城式サイクルツーリズムに参加させていただくことで、他のエリアにあるまちの駅との連携が深まり活動が広がることを願う」との期待が示されました。
そして、リビングラボに参加した市民の方から「とても楽しくワークショップに取り組ませてもらった。今後も引き続き小城の魅力を開発していきたい」と心強い一言をいただきました。
最後にFDC石丸修平事務局長は「担い手の一人としてこの日を迎えられたことを嬉しく思う。今後も、小城の可能性を開発していきながらたくさんの人々をこの地に呼び込んで地域全体の発展に繋げていければ」と語りました。

トークイベント開催
出発式の後、プロサイクリングチームSparkle Oita Racing Teamの黒枝美樹監督を迎え、「自転車とまちづくり」をテーマに、トークイベントを開催。NEXCO西日本濱野昌志氏をモデレーターに、江里口市長と石丸事務局長も登壇し小城市における観光の可能性などについて語り合いました。
黒枝監督は大分市職員として自転車活用計画の遂行に携わる一方、自転車の可能性を拡げるためにプロサイクリングチームを大分で立ち上げ監督に転身した経験を中心に、道路というストックインフラを活かした自転車の取り組みになどを解説。今後、小城式サイクルツーリズムを根付かせる機運醸成のためには市民、行政マン、企業マンといった誰もが自分ごととして能動的に動くことが大事だ。そのためには一歩ずつでいいので、チャレンジしてもらいたいと願っている。小城の名物小城羊羹と融合してみるなど自転車と何かを掛け合わせてみる、といったことも今後考えていってもらいたい。小城にはスマートICというゲートウェイができたので、二次交通をうまく利用しながら拠点をしっかり形成し、そこを中心に、リビングラボを使った人づくりやまちづくりを続けていってほしいと思う」とにエールを送りました。

石丸事務局長は、「自転車は日常使いのモビリティであることと同時に、国際基準の自転車レース『ツール・ド・九州』といった今後の九州全体の観光に一石を投じる可能性をも秘めている。今後、自転車を活用したまちづくりを進めるうえでペインポイントと呼ばれるものを産学官民連携の視点からどのように解決していくか。今回、小城式観光を創り上げるうえで取り組んだリビングラボによる共創の手法を活用し、交通の観点だけでなく、まちづくりなど広い目線で捉えていくことが肝要だ」と意見を述べました。
最後に、江里口市長は「市民主体のまちづくりは行政だけでできることではない。多くの人に関わってもらい、少しずつスタートをきっていきたいと思っている。ライフスタイルが変化するなか、自転車が果たす役割を少しずつ変えていくのでも良い。本日の出発式はまさに小越のまちづくり観光のターニングポイントだ。これからも自転車+αの企画をどんどん進めていきたい」とこれからの小城式サイクルツーリズムに期待を膨らませました。
小城式サイクルツーリズムの出発式と同日、JFA(日本フットボール協会)公認の小城市フットボールセンター「ブラックモンブランフットボールセンター」落成式が行われました。施設が充実したことで小城市への来訪はますます増えていくことが期待されます。
FDCは、今後も地域の活性化に向け、産学官民連携の橋渡しとして支援して参ります。

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