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『地方創生に向けFDCを日本版LEPのモデルに』と提案—-日本経済新聞「地方創生・地域の視点」に掲載

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2015年5月4日付日本経済新聞「経済教室」に、九州大学の谷口博文教授が『地方創生 地域の視点』と題して寄稿され、当協議会(以下FDC)を日本版LEP(広域官民連携組織)のモデルにと提案されています。

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要旨は以下の通りです。

 政府は2014年末、まち・ひと・しごと創生に関する「長期ビジョン」と「総合戦略」を閣議決定したが、地域活性化の必要性は今に始まったことではなく、戦後様々な取り組みがなされてきた。これまでうまくいかなかったのは、国の総合戦略で検証しているように、「縦割り行政」「全国一律」「バラマキ」「表面的」「短期的施策」が阻害要因となったため。

 一方で、全国の自治体が求められている地方版の総合戦略の策定においても、1700を超える自治体がコンサルティング会社の手を借りて、国の支援を受けるためだけに他地域の成功事例を真似た計画を作ってしまうと、結局全国一律、バラマキ、に終わってしまう。また人口減少の阻止についても「これさえあれば解決できる」といった単純な策は存在しない。雇用、産業振興、医療、教育、インフラ整備など地域の魅力向上のために総合的な施策が求められる。とはいえ、各自治体がすべての施策を実施することは人的資源の制約もあり現実困難だ。

 そのように考えると、個々の自治体単位ではなく、経済活動と人の移動可能性を念頭に置き、自立できるだけの経済力を持った広域経済圏のなかで取り組むべきだといえるはずだ。つまり、広域経済圏の中で、成長拠点と周辺地域との役割分担などを示して地域の特色を活かした戦略を考える必要がある。また「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においても国と地方の取り組み体制に関し「縦割りや重複を排除し、地域における産業、雇用、企業等の技術開発やイノベーション創出の施策を一体的に推進する組織として、産学官金労に加え、住民代表からなる総合戦略推進組織を整備することが望まれる」と記している。

 つまり、地方創生においては、この「広域連携」「官民連携」の二つが極めて重要なポイントとなる。この「官民」と「広域」の二つの条件を満たす政策推進の参考事例として「英国の地域・企業パートナーシップ(LEP)」と「福岡地域戦略推進協議会(FDC)」を紹介したい。
 
 LEPとは複数の地方自治体と民間企業の参加を条件とし、行政区域を越えた経済圏における経済振興策を地域主導で行うため、政府とともにインフラ整備や地域の開発計画策定、コンソーシアム(共同事業体)組成、規制緩和などを主導・支援する組織。具体的な事業内容は、LEPに委ねられ、国は組織運営資金の交付、地域経済成長支援ファンドなど公共事業を含めた事業実施のための補助を行う、とされている。
 
 そこで、これまでの失敗を打破し地方創生を実のあるものにするため、FDCのような団体を実験台にして日本版LEP(広域官民連携組織)を作ることを提案する。ヒトとカネと権限を持つガバナンスの効いた組織とし、人口減少阻止をミッションとしてはどうだろうか。