トピックス

イノベーションスタジオ福岡の取組みを国際会議で紹介しました

FDCニュース

9月3日、イノベーションスタジオ福岡の国際連携都市であるコペンハーゲンで、イノベーションの新しい潮流を紹介する国際会議が開催されました。
国際会議「Future Design - Innovation in a Digital World (未来のデザイン-デジタル時代のイノベーション)」はデンマークデザインセンターが主催し、デンマーク、イギリス、ギリシャなどヨーロッパ、米国、日本から約120名が参加しました。
参加者は政府機関、デザイン会社、大企業、デザイン教育機関、学生など、幅広い層で、スピーカーもグルンドフォスという世界最大のポンプ会社、IBM、アクセンチュア、スタートアップ企業、デザインコンサルティング会社など多様な構成です。
日本からは、「A new landscape of citizen relationship – A Fukuoka Way」と題して、FDCが運営するイノベーションスタジオ福岡(ISF)の田村大ディレクター、ISFとの連携を模索している富士通研究所の原田一博氏がイノベーションスタジオ福岡の取組みを紹介しました。

 

 

 

 

 

デンマークデザインセンターが政府の依頼によりイノベーションにおけるデザインの新たな役割を見出すための調査を実施し、「New Innovation Actors (イノベーションの新たなプレイヤー)」という中間報告のレポートを発表しました。
イノベーションスタジオ福岡の田村大ディレクターを含む世界の50人への取材に基づいてまとめられたこのレポートは、これからのイノベーションにはパートナーとの新しい連携が必要であることを提唱しています。
モノや人の行動がインターネットでつながる時代は、プラットフォームを構築するビジネスチャンスがある一方、それだけリスクも大きいため、大手企業は自分たちで何でも開発しようとするのではなく、信頼関係に基づくスタートアップとの連携、しかもグローバルに連携することが必要だというメッセージです。
そうしたイノベーションの創出に向けて、都市は多様なプレイヤーと出会う機会を創造したり、実証実験の場を提供するといった役割を担うことが求められています。

田村ディレクターは、企業の中核事業やその周辺事業の担当者は、技術や既存ビジネスからの発想に依存し、本当のイノベーションは起きにくいので、むしろ、組織の外側からの人間中心のアプローチ、社会の視点からの新しいアプローチが必要であることを提唱しました。
イノベーションスタジオ福岡は、まさに、大企業とスタートアップや市民が共に社会の課題を解決するビジネスを生み出す取組です。
福岡が古くからオープンな都市で、若者が多く、開業率も高いことや、国家戦略特区でグローバルスタートアップ特区に選ばれ、イノベーションスタジオ福岡が特区プロジェクトのひとつであることも報告しました。

富士通研究所の原田さんは、人々の価値観や行動を変えるイノベーションはインパクトは大きいが、実際には複雑で難しいこと、私たちが直面している社会課題は一社では解決できないほど複雑で難しいことを紹介。
だからこそ、複数の組織や市民が連携する必要があるだけでなく、課題の設定自体を社会の視点から見直す必要がある、イノベーションスタジオ福岡は、そうした市民力と企業が出会うオープンなプラットフォームとしてとても魅力的だと語りました。

国際会議の参加者からは、イノベーションスタジオ福岡の取組みが、まさしく、世界の新しいイノベーションの潮流を先取りする事例だとして、大きな期待を寄せられました。

田村ディレクターとDDCのCOOのAnne

イノベーションのエコシステムの図

会議の模様はこちらのホームページでご覧いただけます(英語)
http://designsociety.dk/2014/09/04/future-design-conference/

報告書「New Innovation Actors」はこちらのホームページからダウンロードできます(英語・デンマーク語)
http://designsociety.dk/2014/09/02/meet-new-innovation-actors/